昨今の日本経済の低迷を受け、転職における労働市場は、希望者が増加する一方で、求人が減少するという、供給多寡の状態に陥っている。企業側は人手不足ではあるものの、多くの社員を採り、抱える体力を持ち合わせていないため、求人を出す場合の採用人数は少数となり、かつ、即戦力として貢献できる経験豊富な人材を求めている。しかし、求人が少ないため、ひとつの求人に対する応募は殺到し、本当に欲しい人材をその中から見いだすことは非常に困難な状況となっている。当然、苦労して採用した人材が有能な人材であるかの保証などなく、無駄な労力を費やすのであれば求人を出さないほうがいいと考える企業も少なくない。このような状況下で、市場全体の求人数は日減少の一途をたどっているのである。そんな中、今の求職者の間では、いかに書類選考を突破するか、ということが最大のテーマとなっている。いったいどのような書類が一番選考を通り易いのか。私は、ある転職コンサルタントに話を伺った。今、企業が書類選考について優位なポイントはなにより学歴だといわれているそうである。企業側は、面接ができる時間や人数が限られているものの、応募者数は通常の5倍以上となっている場合もあるため、書類選考の効率化から、学歴で判断せざるを得ないということである。近年では学歴で能力を測る事ができないとして一度は捨てられた選考基準が、ここにきて復活の兆しを見せているのである。学歴をひとつの選考基準とすることは、確かにリスクの少ない方法かもしれないが、埋もれた才能を見いだすことは決してできず、社会全体としても有能な人材が職に就けないことで損失を被ることになってしまう。そのような理由からかつて選考基準から学歴が排除されたのではなかったのだろうか。もし、このような基準が再評価され、多くの企業に浸透してしまうならば、不景気から脱却する日はますます遠くなっていくのではないだろうか。
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